医療機器は、災害対応活動において重要な役割を担っています。
災害発生後、医療機器は人命救助、怪我の管理、病気の治療に不可欠です。
医療従事者が患者を迅速に診断・治療するのに役立ち、バイタルサインの監視や投薬に使用することもできます。
災害対応に使用される一般的な医療機器には、以下のようなものがあります。
人工呼吸器:自力で呼吸ができない患者さんの呼吸を助けるために使用します。
除細動器 :心停止時に心臓の正常なリズムを取り戻すために使用されます。
血圧計:患者の血圧を測定するために使用され、ショック状態やその他の深刻な病状があるかどうかを示すことができます。
携帯型超音波診断装置:腹部外傷の場合など、内部の傷の診断や体液の蓄積の確認に使用します。
輸液ポンプ:自力で食べたり飲んだりできない患者さんに輸液、投薬、栄養補給を行うために使用します。
災害時には、医療機器が損傷・破壊されたり、電源が遮断されたりすることがあります。
医療従事者は、診療を継続できるように、バックアップ機器や発電機やバッテリーなどの代替電源を持っていることが重要です。
さらに、災害対策チームは、被災した人々のニーズを満たすのに十分な医療機器や物資を手元に確保しておく必要があります。
そのためには、医療機関、政府機関、その他のパートナーとの連携や協力が必要です。
全体として、医療機器は災害対応活動の重要な構成要素であり、人命を救い、災害の影響を軽減するために重要な役割を担っています。
では、実際にウクライナではどのような状況になっているのでしょうか。
ウクライナでは、未だに同国東部での紛争が続いているため、厳しい状況です。
この紛争により、特に戦闘の直接的な影響を受けている地域では、医療品や医療機器が不足しています。
紛争による直接的な影響に加え、COVID-19の流行がウクライナの医療システムに負担をかけ、医療機器や物資の不足をさらに悪化させました。
医療従事者用の個人防護具(PPE)を十分に確保できず、COVID-19の検査や治療へのアクセスが不十分であるとの報告もあります。
そのため、世界保健機関(WHO)や国連児童基金(UNICEF)などの国際機関は、PPE、酸素濃縮器、人工呼吸器などの医療用品や機器を提供しています。また、米国など一部の国からは、ウクライナの医療制度を支援するための資金援助が行われています。
しかし、特に紛争の影響を直接受けている地域では、依然として厳しい状況が続いています。
医療従事者は医療機器や消耗品へのアクセスに課題を抱え続けており、紛争やCOVID-19の流行が続いているため、住民に十分な医療サービスを提供することが難しくなっています。
また、日本では、以下のような団体がウクライナで活動しています。
Peace Winds Japanは、災害時や紛争地域での人道支援を行っており、ウクライナでも支援活動を行っています。2021年3月には、ドンバス地域で避難民支援プログラムを実施し、食料や医療品の提供、シェルターの提供、救急車の配備などを行っています。
2)日本赤十字社
日本赤十字社は、ウクライナでの支援活動を行っています。2021年3月には、ウクライナ国内の病院に医療用品を提供し、COVID-19検査キットや呼吸器などの医療機器を提供しました。
国際平和医療財団は、ウクライナでの医療支援活動を行っています。ウクライナ東部で医療活動を行うNGOや地元の病院に対して、医療用品や医療機器の提供、訓練プログラムの実施などを行っています。
このように紛争や災害は、突然発生してくるものです。
いざという時に、対応できるように日頃から準備しておきたいですね。
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