＜臨床工学技士基本業務指針2010＞
【手術領域（周産期を含む）での業務】
特に引き続く一連の業務の段階で医師の指示で行える業務は〇、医師の具体的指示を受けて行わなければならない法令上の特定の行為には◎で示してあります。
Ａ．治療開始前
- 使用する生命維持管理装置及び手術関連機器の保守点検及びその記録
- 使用する生命維持管理装置及び手術関連機器（回路等を含む）等及び操作に必要な薬剤 及び操作条件（監視条件を含む）の指示書等の確認
- 使用する生命維持管理装置及び手術関連機器（回路等を含む）の準備
- 使用する生命維持管理装置及び手術関連機器の組立及び回路の洗浄・充填
- 使用する生命維持管理装置及び手術関連機器の操作に必要な薬剤・治療材料の準備
- ○使用する生命維持管理装置及び手術関連機器の始業点検
Ｂ．治療開始から終了まで
- ○生命維持管理装置の先端部の接続又は抜去
- ◎生命維持管理装置及び手術関連機器の操作条件及び監視条件の設定及び変更
- 生命維持管理装置及び手術関連機器の操作並びに患者及び監視に関する記録
- ◎留置カテーテルからの採血
Ｃ．治療終了後
- 生命維持管理装置及び手術関連機器の操作並びに患者及び監視に関する医師への報告
- 生命維持管理装置及び手術関連機器の消毒・滅菌及び洗浄等
Ｄ．その他
- 手術に関する症例検討会への参加
Ｅ．特記事項
- 医師の決めた生命維持管理装置の操作条件及び薬剤の投与量等に従い，臨床工学技士は これらの条件等の設定及び変更を行う．こうした指示については操作前に医師から受ける 書面による指示の他，操作中の指示についても，できる限り具体的に受けなければならな い．
- 治療開始前に，生命維持管理装置の操作に必要な薬剤・治療材料及び使用する機器等の 操作条件（監視条件を含む）の指示を医師から受けている場合であっても，業務を遂行するに当たり機器等の操作に関して疑義のある点については治療に先立ち，改めて医師の最終確認を受けなければならない．
- 身体に直接針を穿刺して行う血管からの採血及び血管内への輸血等を，臨床工学技士は行ってはならない．
- 留置カテーテル採血は医師の具体的な指示を受けなければならない．（動脈ライン等を含む）
- 麻酔の導入，維持管理，覚醒は医師が行い，臨床工学技士は麻酔器及び各種監視装置による監視と患者状態の把握を行う．
- 周術期の各種生命維持管理装置の使用においては，術中の業務に準ずるものとする．
- 手術領域の対象となる生命維持管理装置は，麻酔器及び麻酔の際に使用する人工呼吸器，人工心肺装置，補助循環装置，除細動器，各種監視装置等の業務の必要性に応じて使 用する機器である．
- 手術関連機器とは，電気メス，レーザー・高エネルギー超音波装置，内視鏡手術機器， 手術ナビゲーション装置等の必要性に応じて使用する機器である．
- 生命維持管理装置及び手術関連機器や再使用する器具・備品の消毒・滅菌及び洗浄は， 他の医療職との十分な連携で適切に行うものとする．